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創刊号 日小田正人の営業力強化ニュース
『自社の強みを伝えよ!』

 

 ■ 増税不況では本当の力が試されている

 

2014年4月の消費税率引き上げによる反動減に苦しむ住宅市場。
消費増税で消費者が新築住宅の購入意欲自体を失ってしまった。いわば「増税不況」に陥った現状では、消費税率を再引き上げしても駆け込み需要を期待できず、むしろ需要自体がなくなるとマイナス面を指摘する声も少なくない。今後の住宅市場はどうなるだろうか?性能向上リフォーム、ストック活用という新たな中古住宅の流通市場は生まれるのか?

2014年の景気を引っ張っていたのは大企業だ。中小企業や一般消費者は実感なき好景気であったに違いない。これまでも厳しかったが、これからの方がまだ厳しくなると認識すべきである。逆風の時こそ業績の差は一段と拡大する。業績を担う責任者であるリーダーは常に向かい風から逃げてはならない。

苦しくとも一歩先に進むことである。

 

■ 自社の強みを本当に活かしきれているだろうか

あなたの会社が今なくなったら、だれがどのように困るだろうか?

この質問のねらいは、あなたの会社の強み、特長、存在意義などを浮かび上がらせることである。「あなたの会社」を「あなたが売っている製品(サービス)」に変えると、製品の強み、特長、存在意義が見えてくる。

ただ客先を訪問していれば売れる時代ではない。売れても単価が下がるから金額が増えない。むやみに訪問件数を増やすと営業経費ばかり増えてしまう。自社の強みを見極め、そこに資源を集中して一貫性を持って前に進むことが突破口となる。

 

■ 武器を持たせず戦をしてはいけない

先日、地場工務店の社長から、注文住宅の受注が伸びないと相談があった。他社ブランドの分譲住宅は順調に伸びているが、自社ブランドの注文住宅が前年に比べ半減したままだという。このままだと、増収減益となってしまう。注文住宅の受注を昨年なみに回復したいとの依頼だった。営業現場の現状はこうである。

1. 社長自ら「足で稼げ」と叱咤激励している
2. 口先介入でなく、同行営業で行動介入している
3. それでも業績が伸びないので、チラシの投げ込み件数を3倍に増やし、展示会の来場目標を2倍にした
4. 面談件数をふやすため、直行・直帰を認めた。

とのことであった。

この社長、行動面の指示ばかり。顧客は誰か?何を伝えるか?いくらで売るのか?顧客に提供できるゴリヤク(利益)は何か?自社と取引するとどんな良いことがあるか?自社と他社の違いは何か?などマーケティング面の指示が全くない。準備せずして勝てるほど甘くない。

 

■ 強みを言葉に!一貫性持って徹底的に使い倒す!

社長にこんな質問をしてみた。

日小田「お客様が社長の会社を指示してくれる理由は何ですか?」
社 長「えっ?」しばらく考え込んで「中間検査や竣工検査など、検査体制がしっかりしていることでしょうか」
日小田「そうですか。お客様アンケートは分析されていますか?」
社 長「いやー、分析してません」
日小田「そうですか。それではまずお客様アンケートを分析しましょう。その次に、失注したお客様の声は集めていますか?集めていなければ聞きに行きましょう」

顧客・非顧客の声を分析、次の強みが見つかった。「地球にやさしいECO住宅」「家のカルテによる計画的なメンテナンス」「働くママに優しい家づくり」あとは、強みをチラシや営業マンのトークに落とし込み、一貫性を持って徹底的に使い倒すことである。

 

■ 自社の独自の強みは業績回復の突破口になる

「取引き先が増えない」「商品が売れない」。なぜだろうか?それはあなたの会社独自の強みがあるのに、それをセールスに活かしきれていないのである。

今回のケースで、「地球にやさしいECO住宅」「家のカルテによる計画的なメンテナンス」「働くママに優しい家づくり」この3つの強みを活かし、次の5点を重点に営業を強化した。

1.チラシ、ブログなどに強みの3つを必ずのせた
2.展示会を見学会でなく、強みを伝える説明会にした
3.電話応対のトークも「働くママに優しいECO住宅づくりの○○工務店です」とアピールし一貫性を持たせた
4.月に1回「働く主婦座談会」を開催し内容をホームページに公開した
5.チラシ・名刺・看板広告にすべて3つの強みを表示する

たったこれだけの取り決めをしてアピールしただけで、問い合わせ件数が前月の4倍に増加し、受注が50%アップしたのである。

このように、改めて自社の強みを認識し、そこに特化していく事は、顧客のニーズを満たし、増客に繋がる。

 

■ 他社ではなく、自社を選ぶ理由に気がついているか

経営者が自社の強みを客観的に理解していれば、社員も正しくお客様に伝えられる。ただし、その強みは競合企業とお客様の選択基準によって刻々と変化する。変化に対応する為には、経営者自らが現場に出向き、お客様が自社を選ぶ理由を聞き続けることが大切だ。

自社の強みを理解することで、顧客ニーズにより応えられ増客に繋がる。単価下落の今、増客なくしては生き残れない。生き残る為には、経営者自ら顧客を知り、自社の強みを活かしきることが厳しい経営環境に打ち勝つ絶対条件だ。