第24号 2017年に打つべき手 人を育て粗利益率を高める企業づくりをせよ!

謹賀新年

 明けましておめでとうございます。平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げますとともに、皆さまに深く感謝申し上げます。
本年は「人が育つと粗利益率が高い企業ができる」をテーマに取り組んでまいります。変わらぬお引き立てとご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
※本ニュースを年始のご挨拶とさせていただきます。

■2017年の市場はゆるやかな回復が続く

 緩やかな景気回復の動きが続き、実質GDP成長率は3年連続でプラス成長を達成する見込みだ。
 雇用・所得情勢の改善が続く一方で物価が上昇基調に転じることが個人消費の伸びを抑制する。世界経済の回復を背景に輸出が増加基調を維持することに加え、企業業績の改善を受けて設備投資が緩やかな増加基調に転じることが景気を下支えする。また、2017年度第2次補正予算の効果が、上期を中心に現れることも景気を押し上げる。

◇建設投資の動向

 前年度比1.4%減の51兆2,000億円となる見通しである。これは消費増税の駆け込み需要があった2013年度と比較すると0.2%減となる。2020年東京オリンピック関連の大型案件の見積提出がほぼ出尽くし、受注の判別がつく段階。それ以降は細かな案件を計画的に詰めるきめ細かい営業活動が必至だ。
 住宅着工は、前年度比1.8%減の92.4万戸となる。好調に推移した貸家の着工戸数も次第に減少、分譲マンションも価格高止まりに変化が見られず減少となる見込みだ。持家と戸建分譲は概ね横ばいで推移すると考えるが全体では減少する。
 住宅は今後5~10年で姿を大きく変える。食と住の基本機能を満たすモノから、温暖化、高齢化といった社会的な課題解決の切り札となる。省エネ、IoT、介護がカギとなり、技術の進化が進み、多様な機能が高まっていく。自動運転が進む自動車同様、部品メーカーの入れ替えが起きるかもしれない。

■次代に勝ち残る経営体質をつくる

 今までの「考え方」「やり方」「動き方」「マネジメント」「人財」「取引先」「商品」「技術」では、業績は衰退の一途をたどる。これまで以上の高付加価値を稼ぎ出す経営体質を作りださなければ次の時代を勝ち残ることは困難となる。その柱となるのは「人財の育成」である。

■「あなたにしか頼めない」その理由を創りだせ

 人口減少、少子高齢化の国内市場においては、「高付加価値=粗利益率」に徹底してこだわることが重要だ。粗利益率向上は、「商品力」「技術力」「開発力」「コストダウン力」「人財力」「顧客満足度」の証明で経営の根幹である。
 あなたの会社で価格が高くても取引してくれる顧客は何割いるだろうか?薄利多売で成り立つのは大企業。8割いれば安定、5割を切れば粗利益は減少に転じているだろう。取引理由は「マナーが良い」「問い合わせがしやすい」「納期回答が素早い」「代替提案がある」「クレーム対応が適切だ」など「あなたにしか頼めない」 といった社員の行動の証なのである。人を育てる目的はここにある。社員もお客様から評価されるので、モチベーションが上がり良い循環を生み出せるのだ。そのポイントは次の7つ。

1.トップ自ら任せ上手になる(幹部育成)

 次の一手を打つ体制づくり。トップの限界が会社の限界であってはいけない。No.2が考えトップが決定し全員で実行する。信頼して任せるべきことは任せる。No.2の育成と任せる覚悟が必要である。

2.本当の顧客を見つけ出す(ターゲッティング)

 価格が高くとも取引してくれる理由は何か?あなたの会社の強み、特長、存在意義を見つめ直し、そこに資源を集中し一貫性を持って前に進む。逆に言えば弱みの部分は廃棄することである。

3.スピードの差別化でブランド化する(強みを創る)

 顧客は何を持って熱心と感じるだろうか?レスポンスの速さやスピーディな対応に尽きるのだ。そして、スピードはブランド化される。アマゾン、アスクルなど速さで勝負している企業は知名度も収益力も同業に比較して依然高い。ただし過剰はいけない。

4.地域限定で生産性をアップする(競合対策、新規対策)

 営業マンの活動時間の内訳を調べると、「見積・提案書作成」時間が増え「商談」時間が減っている。既存客維持より新規開拓には時間がかかる。事務所や拠点に近い既存客の周囲を開拓しなければ、いくら時間があっても足りない。そのために競合攻略策と営業マンの質を上げる教育が必要となる。

5.顧客情報を集める訪問(無目的訪問をやめさせる)

 顧客情報とは契約書や請求書のデータだけではない。顧客のこだわり、価値観、意思決定のクセなどの属性情報。訪問した際に話した内容、商品やサービスに対する不満を「日報」や「顧客管理カード」に記録し、社員全員が共有。次回、どの営業マンが訪問しても、顧客の不満を解消する提案ができる顧客情報の蓄積は、未来の攻めの営業のための資産づくりである。営業マン任せでないしくみづくりが重要だ。

6.厳しい指導で人を磨く(採用と教育)

 優秀な人材採用は最大の戦略である。中小企業の多くが「ギリギリ経営」となっている。替わりの人材がいなく、成果を上げられなくてもレギュラーポジションに居座っている。これでは緊張感のカケラもない。採用はやや多めが良い。仮に5人採用しても途中リタイアする人間も出てくる。厳しい指導をすることも可能だ。「辞められると困る」そんな状態がぬるま湯組織をつくりだす。

7.再生させる(新拠点、新事業)

 後継者問題や業績悪化等、同業者や仕入先、外注先で事業の継続に頭を抱えている企業は案外多い。まず、同業者や仕入先の経営権を取得したり事譲譲渡で顧客や仕入先の技術を囲い込む。次に、外注先を内作化し戦力化するのである。ただし、簿外債務がないか?専門家に依頼し財務内容を冷静にチェックすることは不可欠。また、性急に成果を求めてもいけない。成熟市場では3年で再生させる中期的な視点でなければ人は残らない。

■「人財」を育て粗利益格差を打開せよ!

 生産年齢人口が減少し、中小企業では人手不足が深刻化している。女性や高齢者の労働参加が進んではいるが、抜本的な打開策ではない。今いる「人材」が、財産を生み出す「人財」に育成できているかどうかが粗利益格差に表れる。ある面、他社と差別化しにくい今、粗利の低下はあたり前といえる。大切なことは、付加価値を生みだす「人財」を育成することである。
 人を育てる企業が未来を切り拓く!

ワンポイントクエスチョン【あなたの会社には何人の人財が必要ですか?

代表取締役 日小田正人

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【営業力強化ニュース24号】