第20号 「時間管理」「スキマ分析」「トップ攻略」で下期ロケットスタートを実現せよ!

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■リオ五輪で日本選手団が躍進した

 リオ五輪では強化予算を重点投下された競技が成果を出した。金メダル12個を生み出したのは競泳、柔道、レスリング、体操、バドミントンの5競技。この5競技はいずれも、国が情報・医科学面から支える「ハイパフォーマンスサポート事業」のランク最上位の「ターゲットA」に位置付けられた競技だ。「A」でメダルを逃したのは女子サッカーだけ。ジュニア時代から選手を発掘・育成し、海外に武者修行をさせ世界のレベルを身体に覚えさせ前進させてきた成果である。
4年後の東京五輪に向けてこの動きは加速していく。「選択と集中」がより進み、実績に乏しい競技はより厳しい立場に追い込まれていく。ダントツの強さを見せつけて強化予算を勝ち取る競技がより強くなっていく。

■「成果創出リーダー」は“反省”でなく“分析”を行う

 今月で上期が終わる。売上、粗利、部下育成などチームのミッションは達成できているだろうか?
 達成できていれば変えずにやり続ける。一度でもうまく行ったことがあったらそれをやり続ける。うまく行っていなければやり方を変える。
優秀なリーダーは現況を分析してチームのとるべき策を矢継ぎ早に打ち出す。会議が始まってから部下の状況報告を受けるような「自己満足リーダー」は変化に対応できない。日々、部下から報告を受けながら現況を分析し、眼前の対策と長期的な未来対策を同時に行うのが「成果創出リーダー」。会議で長期的な未来対策を検討し、重点化して行うべき事、やらないことを決め、部下が動きやすい環境を創りだす。そのポイントは①時間管理②スキマ分析③トップ攻略の3点。

①時間管理

 リーダーがまず行うことは部下の時間管理。どんなに立派な戦略や良い商品があったとしてもお客様が知らなければ注文がもらえない。営業マンが一番大切にすべき時間は、未来の見込づくりを行う「有効面談」の時間。「有効面談」とは、「お客様と直接、受注につながる具体的な商談をする」事で、表敬訪問や納品、打ち合わせなどは含まない。売上アップのために情報収集、新商品提案などを行う面談のこと。

◆時間は有限、時間管理はタイマーで!

 ある住宅設備商社で営業マンの活動分析を行った。見積もり作成デスクワーク時間30%。移動時間30%、面談時間20%《このうち有効面談は10%》。会議や打ち合わせ10%その他10%であった。有効面談時間を増やすには何かを減らさなければならない。そこで、見積作成時間を30%から20%に削減。削減された時間を新商品提案に切り替えた結果、見積提出件数は1.5倍にアップした。
やり方は①見積作成の内容によって標準時間を決める(例えばトイレ交換見積もり作成40分)②タイマーで時間管理を行う。上司があと「何分で終了だぞ」と声をかけることもポイントだ。慣れてくるとタイマーのブザーが鳴る前に終了していく③単価表の整備がされるとさらに時間短縮が図られ有効面談時間がアップ。
 営業マンの能力が上がったわけではない。仕事の単位時間を決めタイマーで意識させただけ。意識してコンマ1秒を縮めるのはアスリートだけではない。

②スキマ分析

 リーダーが次に行うことは商品のスキマ分析。主要取引先における商品のスキマを分析することで攻めるポイントが明確になる。営業の世界でありがちな、どうせ売れないだろうという固定観念を打ち破ればまだまだ売上は伸びる。
表の左側に得意先名を書き出す(ワークシート参照)。上の欄に商品分類もしくは商品名を書き出し、定番商品は〇、スポット商品は△を記入していく。表の空白部分がスキマとなる。得意先に訪問しスキマ商品を提案していく。すると、
「あれっ、その商品も扱っているんだ。扱っていないと思って他に頼んでいたよ。じゃあ頼む!」と受注できる。
スキマに対しアプローチをすると確実に、10%~20%のお客様に購入していただける。ほとんどの場合、「どうせ買ってもらえない」という営業マンの固定観念が原因。
 これも営業マンの能力が上がったわけではない。スキマを意識させただけ。いつも見ている景色を上から、下から、斜めから、後ろからというように多面的に見させることがポイント。

③トップ攻略

 営業マンの訪問先分析をすると、行きやすいところに頻度多く訪問している営業マンが多い。自社の取引額が伸びている得意先ならまだ良い。得意先自体の売上が減り、自社の売上も減っている得意先に高頻度で訪問する営業活動は問題だ。
 その時間があるなら、地域でトップの未取引企業を訪問させる。訪問してみると案外担当者と面談できる。そして、見積を依頼される。聞いてみると、「新規アプローチは滅多に来ないため、取引先の見直しは指名入札が多い。提案されたら入札はしない」と意外な答え。「トップ」だからと敬遠している。トップに対応しているとノウハウがたまる。取引するために対応したノウハウは2番手以下の企業に応用ができるのだ。
そこそこ対応したノウハウはそのレベル以上には通用しない。「井の中の蛙大海を知らず」で終わってはいけない。「されど空の深さを知る」まで突き詰める。
海外まではいかなくとも、違うタイプの競合と闘う経験が営業マンの質を高めるポイントである。

■チームを点検して下期のロケットスタートを実現せよ!

 市場が縮小する中でリーダーの立場はある意味辛い。トップ方針に沿って現場で指揮をとる際、様々な矛盾や問題が発生する。トップは3年後、5年後を見て期待してくる。部下は目の前の業績達成のためにサポートを期待してくる。精神的にも肉体的にも辛い立場で仕事を進めなければならない。しかし、どんな時にもリーダーはブレてはいけないことがある。それはリーダ自身が前進することに迷いを持ってはいけない。
日本選手団が躍進したように、頂点を目指し、逆算してなすべきことを目標に掲げ、部下と共に成果を生み出すことである。
実績に乏しいチームは社内外からの支持を失い市場から退出を余儀なくされる。生き残りでなく、勝ち残りを目ざし、①時間管理②スキマ分析③トップ攻略
この3つを行い下期ロケットスタートを実現してほしい。目標達成を実現するのが成果創出リーダーだ!

ワンポイントクエスチョン【下期にロケットスタートする自信がありますか

代表取締役 日小田正人

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【営業力強化ニュース20号】